3D モデルを見ると製品の形状がわかりますが、多くの場合、実際に製品を製造する際に必要となるエンジニアリング情報をすべて把握することはできません。詳細を把握するためには、寸法、表面仕上げ、材料、公差などの情報が必要になります。
これまでは、そのような非ジオメトリ データは 2D の図面やドキュメントにまとめられていました。エンジニアが製品の 3D モデルを構築してから、製品製造情報 (PMI) をアノテーションとしてそれらの図面に追加します。
しかし問題は、モデルが複雑で、下流工程のプロセス、ベンダー、パートナーなどがジオメトリやアノテーションを簡単に認識できない場合です。モデルが更新され、これらの図面もすべて更新しなければならない場合も問題になります。この問題は決して稀ではなく、大きな無駄につながっています。
しかしモデルベースの定義 (MBD) なら、こうした問題に対処できます
図面よりもモデルの方が、アノテーション参照を確認しやすくなります。
PTC はこのほど、Action Engineering の創立者兼 CEO で、『Re-Use Your CAD: The Model-Based CAD Handbook』の著者でもあるジェニファー・ヘロン (Jennifer Herron) 氏に、MBD に関するインタビューを行いました。ヘロン氏は、モデルベース エンタープライズ、モデルベース設計、モデルベース エンジニアリングなど、MBD 関連のまぎらわしい専門用語を明確に定義しています。
簡単に言うと、モデルベースの定義とはアノテーション付きのモデルのことを指し、関連データ要素によって、2D 図面がなくても効果的に使用できる形で製品を定義するものです。このモデルは、すべてのエンジニアリング業務を円滑にする信頼できる情報源となります。下流工程のサプライヤや、社内のあらゆる部門が使用することができます。
詳細については、以下のビデオをご覧ください。
ヘロン氏は、MBD の最大の長所は、社内全体でコミュニケーションが活発になり、製造や品質管理など、下流工程のあらゆるスタッフがメリットを得られる点だと話しています。図面よりもモデルの方が、アノテーションやジオメトリ、設計意図を把握しやすくなります。
モデルからより多くの情報を得る
モデルベースの定義なら、どのような規模の企業でも、製品開発を効率化して時間とコストを節約することができます。PTC が 3D CAD ソフトウェアの Creo Parametric に MBD 関連の大幅な改良を加えているのは、それが理由です。幾何寸法公差 (GD&T) を検証するための総合的な新機能も追加しています。詳細情報や、30 日間無料試供版のダウンロードについては、Creo 4のページをご覧ください。