今回は、ジェネレーティブデザインの概要と優れている理由、ワークフローを紹介します。記事の最後で Creo のお客様導入事例もご紹介しておりますので、ご興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
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ジェネレーティブデザインとは?
ジェネレーティブデザイン とは、機械学習を使用して部品の コンピューター支援設計 (CAD) 形状を自動作成する方法です。フィーチャーベースやダイレクトモデリングで形状を定義するのではなく、ユーザーが設計領域(保持または除外する領域を含むエンベロープなど)、動作環境の条件、材料、製造上の制約を指定します。その後、アルゴリズムが 1 つまたは複数のソリューション候補を算出します。ユーザーはその結果を比較検討し、最適なソリューションを選択します。
ジェネレーティブデザインは、従来の人間の手による設計と比較して、高速かつ多くの点で信頼性が高い手法です。
ジェネレーティブデザインが優れている理由
ジェネレーティブデザインと、それに密接に関連する トポロジー最適化 ツールは、Creo の複数のバージョンで利用できます。ジェネレーティブデザインが従来の CAD ワークフローと異なり、より優れている点は以下の 4 つです。
1. 要件を設計に落とし込む
すべての製品は要件から始まります。トップレベルの要件はサブシステムの要件に分解され、それがさらにコンポーネントの要件にまで抽出されます。以前は、部品またはサブアセンブリの構造要件を把握していたとしても、設計が完了するまでそれらの要件は検証されませんでした。ジェネレーティブデザインでは、荷重ケースをモデルに適用して設計の基盤を整えます。これにより、最初から確実に条件を満たすことができます。
2. 製造方法を考慮して設計する
通常のワークフローでは、設計した部品をシミュレーションツールや解析ツールを使用して検証した後、生産技術に引き渡して、切削加工または付加製造で構築できるかどうかを評価します。
ジェネレーティブデザインでは、最適化検討に製造基準を追加します。次のような基準を追加できます。
- 3D プリントされる部品のビルド方向
- 射出成形部品の 2D または 3D のパーティングライン
- ミル加工される部品の直線押し出し
これにより、適切な方法で製造できるようになります。
3. 複数の構想設計案をAIで自動生成する
製品開発には常にスケジュールの制約があります。通常、初期の設計段階でいくつかの構想が練られます。機械学習の力を借りれば、人間が 1 つの構想設計コンセプトを練るためにかかる時間よりも少ない時間で複数の構想設計案を生み出すことができます。
4. 作成されたモデルをユーザーが修正する
ジェネレーティブデザインによって作成される部品モデルは B-Rep(境界表現)形状となります。この形状は、Flexible Modeling Extension などの標準的なパラメトリック機能やダイレクトモデリングツールで修正できます。
ジェネレーティブデザインのワークフロー
Creoのジェネレーティブデザイン機能では、簡単にモデルの最適化検討できます。基本的なプロセスは次の通りです。
- 設計領域を設定する
これには、モデルのボリュームの制限を表すボディとなる開始形状が含まれます。また、ボディを使用して、解析の間に保持する必要があるボリュームや形状が許可されないボリュームを指定することもできます。
- 荷重ケースを定義する(動作環境の設定)
拘束と荷重を簡単に定義できます。
- 設計目標を指定する
通常は、目標とする質量や元の設計スペースの体積%です。
- 拘束を追加する
前述した製造上の制約のほか、対称などの形状の制約、幅を広く/狭くするなどウェブを削減するための要素が含まれます。
- 材料を選択する
現在 Creo で使用できる材料は最大 10 個です。
- 検討設定を適用する(時間やリソースの制御)
- 最適化検討を実行する
- 自動生成された複数の結果から希望する設計案を選択する
- 最終モデル形状を作成する
3D プリントの最終結果をテサレーションすることもできます。
これらの最適化検討は、たった数分で設定できるため、設計作業の効率を飛躍的に向上させることができます。
ジェネレーティブデザインの活用
ジェネレーティブデザインは、より軽量な製品を短期間で設計し、より迅速に市場投入する、実績のある概念です。ジェネレーティブデザインが製品開発チームを支援する可能性については、こちらをご確認ください。
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