トップダウン設計とは? Creo Parametric のトップダウン設計機能や強みを解説

2025年2月15日

CAD ビジネスディベロップメントマネージャー

Creo Parametric(Pro/ENGINEE R含む)歴 18 年
PTC の設計ソリューションで実現できることやメリットをお客様に伝え、3 次元データを活用したデジタルツインや AR といった更なる設計環境を使っていただき喜んでいただく事が使命。

トップダウン設計とは? Creo Parametric のトップダウン設計機能や強みを解説
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今回は 3D CAD におけるトップダウン設計の活用方法や Creo Parametric の強みを紹介します。記事の最後で Creo のお客様導入事例もご紹介しておりますので、気になる方はぜひ最後までご覧ください。
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1. トップダウン設計とは

日頃の業務で CAD を使用して製品設計を行っている設計者の方に「御社ではトップダウン設計を行っていますか?」と尋ねると「あまりやれていないと思います」「まだ 3 次元 CAD を使いこなしていないのでできていません」といった答えを頂くことがあります。
ただ、「御社では構想設計を行っていますか?」と尋ねると「もちろんやっています」という回答を頂きます。
実はちょっと大雑把な言い方をさせていただくとトップダウン設計とは構想設計を行い、その情報を活用して詳細設計を行うことです。
よって、製品設計を構想設計から始めて、詳細設計を行っているのであればそれは「トップダウン設計で設計を行っている」と言って過言ではありません。
ただし、同じトップダウン設計でも 2 次元設計と 3 次元設計では意識しなければならないことが変わってきます。


トップダウン設計の概念図 | 製品全体情報からサブアセンブリ・部品への設計情報の流れ

2. 2 次元設計と 3 次元設計のトップダウン設計の違い

私も以前、2 次元 CAD で製品設計を行っていたことがあります。まずは製品全体の構想設計を行い、そこから各サブユニットの構想設計へ落とし、さらには部品設計に落としていました。いわゆるトップダウン設計です。

それでは私が 2 次元 CAD で行っていた方法をそのまま 3 次元 CAD で行えば 3 次元環境でのトップダウン設計ができるのでしょうか?
実際にはできますが 3 次元 CAD ならではの部分を全く考えていないため 3 次元 CAD の良さを台無しにしてしまいます。2 次元 CAD より手間も増えるため作業時間も増えるでしょう。最終的には 2 次元 CAD より設計効率が悪いという結果につながってしまうかもしれません。
それでは 2 次元 CAD と 3 次元 CAD(ここでは主に現在主流のパラメトリック 3 次元 CAD)のトップダウン設計の違い、意識しなければならないこととは何でしょうか?それは「3 次元 CAD の情報はそれぞれ連携する」という事です。構想設計の情報は自動的にそれ以下のサブユニットや部品に連携し、構想設計に修正が発生した際は自動的にそれらの情報がサブユニットや部品に伝わります。そのため設計変更の時間が大幅に削減されます。
この連携を活用した構想設計から詳細設計の流れが 3 次元 CAD ならではのトップダウン設計であり 2 次元 CAD では絶対にできないことなのです。

3 次元環境でのトップダウン設計 | 構想設計から詳細設計への情報連携

3. 3 次元設計のトップダウン設計で意識すべきポイント

「3 次元 CAD の情報は 相互に連携する」という特性を考えた際、3 次元設計のトップダウンでは 以下の3点を意識することが重要です。

(1) 構想設計に持つべき情報の整理

  • どの情報を構想設計で持つべきか?
  • どの情報は構想段階では不要か?

(2) 過剰な情報の削減

何もかも構想設計に詰め込んでしまうと頭でっかちで取り扱いしにくいデータになってしまいます。
構想設計のデータには各ユニットの位置や基準情報といった必要最低限の情報を持たせることを意識したほうが良いでしょう。

(3) 設計変更の考慮

  • 設計変更の可能性 がある部分を事前に予測し、 構想設計の情報に含めておく
  • 頻繁に変更が発生する アセンブリの位置 を移動させやすいようにしておく

このように 3 次元設計におけるトップダウン設計は情報が連携することを最大限に活用するために、事前に情報の整理や伝達させる情報のルール化などを前もって行っておくことが重要になります。 この「前もって行う」という事が案外面倒でなかなか本格的に 3 次元設計におけるトップダウンを運用できていないというお話も聞くことがありますが、この面倒が必ず大きな効果につながります。
定期的に現在の構想設計の環境を見つめなおすことも必要かと思いますがいかがでしょうか?

4. トップダウン設計における Creo Parametric の強み


ここまでのトップダウンのお話は 3 次元パラメトリック CAD を使って設計するうえでは一般的な話です。それでは Creo Parametric を使ってトップダウン設計を行った際の特徴とは何でしょうか?

大きな特徴は下記の 2 つです。

(1) データ連携 100%保証

実はデータの連携の強さは 3 次元 CAD によってまちまちです。強いものもあれば弱いものもあります。これはそれぞれの CAD の特性ですので、どれが正解という事はないかもしれません。ただ、トップダウン設計のこと を考えた際、この連携性はとても重要になります。トップダウン設計とは構想設計の情報が詳細設計と連携しています。よって構想設計の情報に変更が発生した時には情報の連携によって詳細設計にその情報が自動的に反映されなければなりません。万が一にでもこの連携がなくなってしまうことがあるのであれば、途端に設計データは信用できないものとなってしまいます。Creo Parametric は「データ連携 100%保証」です。そのため、設計変更時でもデータ同士の連携切れが発生せず、データの信頼性を 100% 担保したまま、変更内容が関連データに自動で反映されます。

 

Creo Parametric のデータ連携の強さ | 連携性の比較

(2) トップダウン設計が CAD の機能として存在する


一般的な 3 次元CAD はトップダウン設計を手法として活用します。何か特別なトップダウン設計のための機能があるわけではありません。
しかし、Creo Parametric では 3 次元設計におけるトップダウン設計 のための機能が充実しており、様々なお客様からの要望や経験を 反映した設計環境が提供されています。
PTCでは、正確な情報を連携しそれらを管理できるようにするため、3つの機能を搭載しています。

  1. サイズや形状など製品の構想設計情報をしっかりと定義&計画する「スケルトン 機能」
  2. 製品の構想設計情報を各要素に確実に伝達する「コピージオメトリ 機能」
  3. どの情報がどの要素に伝達されているか確認し必要に応じて参照削除・切断ができる「参照制御 機能」


これらの機能により、設計ミスや修正漏れの原因となりやすい設計プロセスを避け、設計品質を高めるプロセスを推進できるようにしています。

Creo Parametric のトップダウン設計機能 | スケルトン機能・コピージオメトリ・参照制御

これらが他の 3 次元 CAD と比較した際の Creo Parametric の大きな違いです。
Creo Parametric は 3 次元 CAD の中でも特に、トップダウン設計を高い信頼性をもってサポートできる設計ツールです。

5. Creo お客様導入事例

 商用の 3 次元 CAD が世に出始めて既に 40 年以上の時間が過ぎました。3 次元 CAD における製品設計も様々なお客様で既に定着していると思います。今回はそんな中でも製品設計の重要な要素である構想設計から詳細設計の流れを担うトップダウン設計のお話をさせていただきました。既に確立できているお客様もいらっしゃれば、もしかすると少し上手く進められていないお客様もいらっしゃるかもしれません。今回の記事を読んでいただき Creo Parametric のトップダウン設計の機能に興味を持っていただけましたら、些細なことでも構いませんのでご遠慮なくこちらまでお尋ねください。

【導入事例】

UD trucks社 | 3D データで、意思決定を迅速化
シンクロン社|過去データの継承と採番・BOM作成など業務効率アップを実現
パナソニック社|照明設計をCreoに統一。データ共有の質を向上

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古賀 奨

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