CAD ビジネスディベロップメントマネージャー
Creo Parametric(Pro/ENGINEE R含む)歴 18 年
PTC の設計ソリューションで実現できることやメリットをお客様に伝え、3 次元データを活用したデジタルツインや AR といった更なる設計環境を使っていただき喜んでいただく事が使命。
今回は、マルチボディの概要とCreo での活用方法や具体的なメリットを解説します。記事の最後で Creo のお客様導入事例もご紹介しておりますので、ご興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
Creoに関する詳細はこちらマルチボディとは、3D CAD 内で作られた複数の体積を持つ形状を、和、差、積といった集合演算に統合または分割する 3D モデリング手法です。
Creo 登場当初(Pro/ENGINEER)は「パラメトリックフィーチャーベース」という新しい概念を採用していました。そのため、従来の集合演算を前提としたモデリング手法はなく、「マルチボディ」という概念も長らく実装されていませんでした。
しかし、PTCは、ユーザーからの要望が多いマルチボディの実装が Creo のユーザビリティ向上につながることを認識し、Creo 7.0 から正式にマルチボディ機能が搭載されました。
既存の Creo ユーザーはマルチボディ機能がない環境で設計を行ってきたため、新機能として追加されたマルチボディの活用方法に戸惑うかもしれません。
もともと Creo は「パラメトリックフィーチャーベース」というコンセプトでモデリングを行う 3D CAD であるため、マルチボディを無理に使用する必要はありません。 ただし、ある部品と別の部品をマージ(統合)する、またはカットアウト(切削)するといった作業が比較的多い場合、マルチボディを使うことによって、パーツ環境だけで、不要な参照関係を付けずに目的を達成でき、作業の効率化が可能です。
また、マルチボディ機能では、体積を持つ形状同士を単に統合・切削するだけではなく、形状の分割もできます。 最初は 1 つの塊としてモデリングを行い、あとから分割して別部品にするといったワークフローを実現できます。これにより、製缶品や樹脂カバーなどの設計で、より効率的なモデリングが可能となります。
過去に作成したパーツモデルに対しても、マルチボディを活用することで、形状の分割、移動、一体化を駆使し、大幅な形状変更も簡単に行えるようになります。
Creo は他の 3D CAD と比較して、トップダウン設計が得意な CAD です。 構想設計情報をサブアセンブリや部品に伝え、正確な設計を行うことができます。また、設計変更が発生しても構想設計情報を変更するだけで下位コンポーネントにも自動かつ確実に適用されます。 また、このトップダウン設計を行うための「専用機能」を持っているという事も、他の 3D CAD にはない Creo の大きな特徴です。
しかし、「設計する製品の規模があまり大きくない」「トップダウン設計の社内ルールが確立されていない」また 「トップダウン設計のオプションを持っていない」などの場合は、トップダウン設計機能を十分活用できていないこともあります。
そのようなケースでも、マルチボディ機能を使ったトップダウン設計が有効です。マルチボディ機能による設計は、作業や考え方がシンプルなため、今まで Creo のトップダウン設計機能を活用することを躊躇っているユーザーにもお勧めできます。
Creo 7.0 以降に追加されたマルチボディ機能は、従来のパラメトリックフィーチャーベースのモデリングと組み合わせることで、設計の効率化や作業の簡素化、3DCAD ソフトウェアの利便性向上を実現できます。
マルチボディ機能を活用することで、シンプルなトップダウン設計の実践や、パーツの分割・統合を駆使したフレキシブルな設計が可能です。操作方法も非常に簡単ですのでご興味ある方はぜひ活用を検討してみてください。
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